2013年6月10日月曜日

SIerが技術力を求めない理由

イノベーションのジレンマを読んでいるのですが、
その中に興味深い一文を発見しました。
特徴と機能が市場の需要を超えてしまうと、その違いは意味を失う。
これは実体験でもよくある話です。

一人暮らしを始めた頃に電子レンジを買ったのですが、
申し訳程度にオーブン機能がついたかなり安いものを買いました。

自分に取って余分な油をカットできたり、
カロリーを測定できたりする機能までは必要無かったのです。

最低ラインさえキープしていれば、
後は値段しか見るところはありません。



これをSIer所属のプログラマーで例えてみるわけです。

ここでいう特徴や機能を、
プログラマーの技術力に置き換えて考えてみてください。

最低ラインの技術力さえキープしていれば、
後は値段しか見るところはありません。

…と言い換えられませんか?

つまり一定以上の技術力は市場の需要を超えていて、
その価値は一切見向きもされなくなってしまうわけです。

だから他の需要であるコミュニケーション能力などが推奨されてしまうわけです。

市場的にはその方が価値があるわけですから。



しかし電子レンジと大きくことなる点は、
顧客は自分の要望を電子レンジほどに明確化していないことです。

要望(≒需要)が明確化していないなら、
要求されるプログラマーの技術力も明確化していないはずなのです。

これは顧客かSIerが市場の需要を過小評価しているのではないでしょうか。

もしくは両方なのかもしれません。

SIerという市場に技術力という価値を認めさせるには、
この認識を改めてもらう必要があるのだと思います。



そしてこれは技術力だけで解決できる話ではなくて、
多分に経済のお話が絡んできます。

経済の知識とは負の相関がありそうなプログラマーには、
少々辛い話のように思えます。

餅は餅屋、
経済や市場の話は経営者が解決すべきスコープではないでしょうか。

値段だけの競争が不毛なことは何よりもご存知のはずです。

値段以外の価値があることを、
市場に認知してもらうように働きかけてもらえないでしょうか。



もしそこまでプログラマーに任せてしまった場合、
経営者は何の為に存在しているのでしょうか?


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