2013年6月11日火曜日

詐欺の定義(再考)

以前に詐欺の定義について考えたのですが、
まるで駄目だったのでもう一度考えてみました。

以前は、
「情報の不平等を利用した取引」
と定義しました。

ですが全然ダメです。

例えば料亭の秘伝の味なんかは顧客が知らない情報と言えますが、
そこに文句を言う人はいるでしょうか。

職人の真似できない匠の技なんかも、
暗黙知の情報と言えるかもしれません。

もちろんこれらは詐欺ではありません。

詐欺は情報の非対称性から来るという仮定はそこまで外れてないのですが、
それだけだと詐欺ではない取引まで含んでしまうので修正が必要です。



顧客が不利益を被ったら?

う~む、価値なんて視点によっていくらでも変わるから難しそうです。

顧客満足度?

ならクレーマーを相手にしたら全ての店が詐欺になってしまいます。

いえ、考え方を変えましょう。

情報の非対称性がどこに発生すれば詐欺になるのか?

商品の欠陥を伝えてないのは詐欺くさいですが、
企業機密の仕組みを使った性能向上なんかは詐欺ではない…

そう嘘を付かなくても致命的な問題を隠していれば詐欺と同じ。
だから嘘では詐欺の範囲をカバーしきれない。

ん、もしかして…

「商品(サービス)の価値に対して情報の非対称性がある取引」

ということでしょうか。

どうやって高品質の商品を提供できるのかについてなら、
情報の非対称性は問題となりません。

でも商品の価値で隠し事や嘘があるのであれば、
それは詐欺だと糾弾されるのではないでしょうか。



おもしろいのは、
これは物によっては売り手ではなく買い手が詐欺師になる可能性もあることです。

オーダーメイドなんかがまさにそれです。

値段を決めてから顧客が必要な情報を後出ししてねじこむなんて、
まさにそれではないですか?

確かに顧客にとっても後から判明した情報なのかもしれませんが、
それならば値段を変更しなければ適正な契約とは言えません。



なるほど、
既に出来上がっている商品を取引するのと、
まだ出来上がってない商品を取引するのとでは、
詐欺の形も変わってくるのかもしれません。

あれ?

これって経営者の間では常識だったり?


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